■ 常磐津節とは


定本常磐津全集(常磐津節定本)

常磐津節とは江戸浄瑠璃の中の一つです。
一曲の音楽の構成は、物語になっており、色々な登場人物が出てきます。
そもそも浄瑠璃とは、浄瑠璃物語、浄瑠璃を語る、浄瑠璃を語る人という意味があり、
浄瑠璃は詞章を節に乗せて語る部分とセリフ、その中間の三つの要素からなっています。
また浄瑠璃の中には、江戸浄瑠璃と上方浄瑠璃(義太夫節など)があり、江戸浄瑠璃は他に清元節、
新内節などがあります。三味線は中棹を用います。

常磐津節は1747年(延享4年)、初代・常磐津文字太夫によって創始され、
江戸中村座で三千両の顔見世興行「恋路の友鳥」
初世澤村宗十郎、初世瀬川菊之丞、二世市川團十郎という顔ぶれでした。

その後、歌舞伎所作事の伴奏音楽として発展。
明治後期より日本舞踊の伴奏音楽も兼ねます。
舞踊なしの演奏形式(つまり素浄瑠璃)は、創始の頃より浄瑠璃(太夫)と三味線のみでした。
素浄瑠璃とは、耳で聴く歌舞伎のようなもので、
舞台や登場人物を想像して楽しむ音楽です。


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